熱暴走とは?リチウムバッテリーが爆発する仕組みと予防法

11月 10, 2025 1 分で読める
リチウムイオンバッテリーの熱暴走プロセスを示す図解

「スマホが勝手に発火した」「電気自動車が駐車場で燃え上がった」。こうしたニュースを見るたびに、多くの人が「なぜ?」と疑問に思うでしょう。

その答えが「熱暴走(サーマルランナウェイ)」です。リチウムイオンバッテリーの内部で起こる連鎖反応で、一度始まると止めることが非常に困難です。

20年の消防経験を通じて、私はこの現象の危険性を身をもって知っています。今日は、熱暴走とは何か、なぜ起こるのか、そしてどう予防できるのかを解説します。防火ブランケットの基本については総合ガイドをご覧ください。

熱暴走とは何か

熱暴走(サーマルランナウェイ)とは、リチウムイオンバッテリーの内部で起こる自己加速的な化学反応です。一度始まると、外部からの冷却なしには止まりません。

ドミノ効果

リチウムイオンバッテリーは多数の「セル」で構成されています。1つのセルが過熱すると、発生した熱が隣のセルに伝わり、そのセルも過熱します。これがドミノ倒しのように連鎖していきます。

各セルが反応するたびに:

  • さらに熱が発生
  • 可燃性ガスが放出
  • 圧力が上昇

最終的に、バッテリーは発火、あるいは爆発的に破裂します。

熱暴走の科学

バッテリーの内部構造

リチウムイオンバッテリーの内部には:

  • 正極(カソード):リチウム化合物
  • 負極(アノード):グラファイト
  • セパレーター:正極と負極を分離する薄い膜
  • 電解液:リチウムイオンが移動する液体(可燃性)

正常な動作では、リチウムイオンが電解液を通じて正極と負極の間を移動します。これが充電と放電です。

何が問題を引き起こすのか

セパレーターが損傷すると、正極と負極が直接接触します。これにより:

  1. 内部短絡:大量の電流が一気に流れる
  2. 急激な発熱:温度が急上昇
  3. 電解液の分解:可燃性ガスが発生
  4. さらなる発熱:連鎖反応が始まる

一般的に、バッテリー温度が150度を超えると熱暴走が始まります。一度始まると、温度は1000度以上に達することがあります。

熱暴走の原因

物理的損傷

最も一般的な原因は物理的な衝撃です。

  • 落下による衝撃
  • 圧迫(重いものを置く)
  • 貫通(釘など)
  • 曲げや捻り

私が対応した火災の多くは、落としたスマホを「大丈夫そう」と使い続けたケースでした。外見上の損傷がなくても、内部のセパレーターが損傷している可能性があります。

製造不良

低品質なバッテリーや偽造品は、熱暴走のリスクが高くなります。

  • セパレーターの欠陥
  • 金属粒子の混入
  • 品質管理の不備
  • 安全回路の省略

安価な互換バッテリーに交換することは、火災リスクを高める行為です。

過充電

バッテリーを推奨電圧以上に充電すると:

  • 正極が不安定化
  • リチウム金属が析出
  • 内部短絡のリスク上昇

純正以外の充電器を使用すると、過充電保護が正しく機能しないことがあります。

過放電

バッテリーを完全に放電させると:

  • 内部構造が劣化
  • 次回の充電時に問題が発生
  • 内部短絡のリスク上昇

長期間使用しないデバイスは、50%程度の充電状態で保管することをおすすめします。

高温環境

高温はバッテリーの大敵です。

  • 夏の車内(60度以上になることも)
  • 直射日光下での使用
  • 発熱する機器の近く

高温環境での充電は特に危険です。バッテリーの限界温度に近い状態から始まるため、わずかな問題が熱暴走につながります。

経年劣化

バッテリーは使用するにつれて劣化します。

  • 内部抵抗の増加
  • 電解液の分解
  • セパレーターの弱体化

古いバッテリーは新しいものより熱暴走のリスクが高くなります。

熱暴走の前兆

熱暴走が起こる前に、多くの場合警告サインがあります。

初期段階

  • 異常な発熱(通常より明らかに熱い)
  • バッテリーの膨張
  • 充電時間の異常(極端に長いまたは短い)
  • バッテリー持続時間の急激な低下

危険な段階

  • 異臭(甘い化学的な臭い)
  • 変色(茶色や黒色)
  • 煙や蒸気の発生
  • シューという音やパチパチという音

これらのサインを見たら、すぐにデバイスの使用を中止し、安全な場所に移動させてください。

熱暴走が起こると何が起きるか

段階的な進行

  1. 発熱開始:バッテリーが異常に熱くなる
  2. ガス発生:電解液が分解し、可燃性ガスが発生
  3. ベントまたは膨張:内部圧力が上昇し、ケースが膨らむ
  4. 発火:ガスが発火温度に達し、炎が出る
  5. 爆発的破裂:圧力が限界を超え、バッテリーが破裂

危険の規模

熱暴走の危険度はバッテリーサイズに比例します。

デバイス バッテリー容量 リスクレベル
スマートフォン 3,000-5,000mAh 中(管理可能な場合あり)
ノートPC 40,000-80,000mAh
電動自転車 300,000-600,000mAh 非常に高
電気自動車 数百万mAh 極めて高(専門家対応)

熱暴走を防ぐ方法

製品選びで予防

  • 信頼できるメーカーの製品を選ぶ
  • 純正バッテリーのみを使用
  • 純正または認証済み充電器を使用
  • 異常に安い製品を避ける

使用方法で予防

  • 落としたデバイスは慎重に検査
  • 高温環境での使用・充電を避ける
  • 就寝中の充電を避ける
  • 可燃物から離れた場所で充電

保管方法で予防

  • 室温で保管(15-25度)
  • 長期保管時は50%程度の充電状態に
  • 直射日光を避ける
  • 定期的に状態を確認

交換のタイミング

  • 2-3年経過したバッテリーは交換を検討
  • 膨張の兆候があれば即座に交換
  • 異常な発熱を感じたら交換
  • 容量が著しく低下したら交換

熱暴走発生時の対応

熱暴走が始まったら、リチウムバッテリー火災の消し方を参考に対応してください。

基本原則

  1. 安全確保:自分と周囲の安全を最優先
  2. 避難:有毒ガスを避けるため離れる
  3. 通報:119番でリチウムバッテリー火災と伝える
  4. 監視:再発火に24時間以上注意

防火ブランケットの活用

防火ブランケットは、熱暴走を止めることはできませんが:

  • 飛び散る火花や破片を遮断
  • 周囲への延焼を防止
  • 避難時の保護シールドとして使用

業界の対応

リチウムイオンバッテリーのリスクに対し、業界は様々な対策を講じています。

安全技術の進歩

  • より安全なセパレーター材料の開発
  • 熱暴走検知・抑制システム
  • 固体電解質バッテリーの研究
  • バッテリー管理システム(BMS)の高度化

規制の強化

  • 輸送規制の厳格化
  • 安全認証の義務化
  • リコール基準の明確化

まとめ

熱暴走は、リチウムイオンバッテリーの内部で起こる危険な連鎖反応です。一度始まると止めることが困難ですが、適切な予防策で発生リスクを大幅に減らすことができます。

重要ポイント:

  • 物理的損傷、過充電、高温が主な原因
  • 警告サインを見逃さない
  • 純正製品と正しい使用法で予防
  • 発生時は安全確保と避難が最優先

家庭の火災安全対策として、高品質な防火ブランケットを備えておくことをおすすめします。リチウムバッテリー火災に特化したものではありませんが、緊急時の選択肢として有用です。

Frequently Asked Questions

熱暴走(サーマルランナウェイ)とは何ですか?
熱暴走とは、リチウムイオンバッテリー内で起こる自己加速的な連鎖反応です。1つのセルが過熱すると隣のセルも過熱し、ドミノ効果で反応が広がります。温度は1000度以上に達し、発火や爆発につながることがあります。
熱暴走の原因は何ですか?
主な原因は物理的損傷(落下、圧迫)、製造不良、過充電、過放電、高温環境、経年劣化です。特に落としたデバイスを使い続けることや、安価な互換バッテリーの使用はリスクを高めます。
熱暴走の前兆はありますか?
はい。異常な発熱、バッテリーの膨張、充電時間の異常、バッテリー持続時間の急激な低下が初期サインです。甘い化学的な臭い、変色、煙や蒸気、異音は危険な段階を示します。これらを見たらすぐに使用を中止してください。
熱暴走を防ぐにはどうすればいいですか?
純正バッテリーと充電器を使用し、高温環境での使用・充電を避けてください。落としたデバイスは慎重に検査し、就寝中の充電は避けましょう。2-3年経過したバッテリーは交換を検討してください。
熱暴走が起きたらどうすればいいですか?
まず安全確保と避難が最優先です。有毒ガスを避けるため離れ、119番通報でリチウムバッテリー火災と伝えてください。消火は困難で再発火の可能性があるため、24時間以上監視が必要です。

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Robin grew up in Sweden surrounded by architecture, pattern-making, and a family tradition where design wasn’t discussed — it was lived. That upbringing shaped a conviction that the objects you choose to live with should carry the same intention as the spaces they inhabit. After two decades working across Stockholm, London, and New York, he founded Serholt Collection to bring that Nordic design discipline to a global audience.

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